栄養ドリンク・エナジードリンクについて知ろう
皆さん「栄養ドリンク」「エナジードリンク」が売られているのをコンビニや薬局でよく見かけるかと思いますが、正しい選び方・飲み方についてご存じでしょうか?
疲れている時などに飲まれることが多いイメージですが、何となく選んでいませんか?実はそれぞれ効果や使いどころに違いがあります。
今回は「栄養ドリンク」「エナジードリンク」の違いや正しい選び方・飲み方について解説します!
「栄養ドリンク」「エナジードリンク」とは?
栄養ドリンクとエナジードリンクの明確な違いは分類となります。
栄養ドリンクは「医薬品」もしくは「医薬部外品(指定医薬部外品)」に分類されているのに対し、エナジードリンクは食品の中の「清涼飲料水」に分類されています。
栄養ドリンクには認められた有効成分が配合されていて、商品ラベルに効能・効果の表記があります。また、成分の量も明確に定められています。
一方、エナジードリンクはいわゆる食品となりますので、医薬品のような具体的な効能・効果の表示はできません。また、成分の量の制限がされていないものとなります。
このように分類が違うことから、実はそれぞれ販売ができる場所も異なります。
医薬品に該当する栄養ドリンクは、薬剤師や登録販売者がいない店舗では販売できません。一方で、清涼飲料水に分類されるエナジードリンクは、薬剤師や登録販売者がいない店舗でも販売が可能となります。
どんな成分が入っているの?
栄養ドリンク、エナジードリンクによく含まれる成分とその効果について知っておきましょう
ビタミン
・ビタミンB群:疲労回復、皮膚や粘膜のケア
ビタミンB群(ビタミンB1・B2・B6・B12など)は糖質・脂質・たんぱく質からエネルギーを産生するのに必要な栄養素です。主に体が疲れているときに加えて、ビタミンB2、B6については肌や粘膜の保護作用もあるので、肌荒れ・口内炎で悩んでいる人にもおすすめです。
・ビタミンC:皮膚や粘膜のケア
しみ、そばかす、肌荒れが気になる方へおすすめです。
アミノ酸:運動直後の栄養補給・筋肉への働き
体をつくるタンパク質のもとになっている栄養素で、特に運動で疲れを感じた直後の栄養補給に最適です。
アミノ酸には体内で合成できないため食事から摂取する必要がある「必須アミノ酸」と体内で糖質や脂質から作り出すことのできる「非必須アミノ酸」があります。
必須アミノ酸の代表であるBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)は、筋肉分解抑制と筋肉合成促進作用により丈夫な体を維持することが期待されます。
激しい運動のパフォーマンス向上や疲労回復を謳う商品に入っていることが多いです。
また、非必須アミノ酸のアスパラギン酸やアルギニンなどは、代謝や血流を促す効果があり栄養ドリンクによく配合されています。
それぞれどのアミノ酸が入っているのかにも、ぜひ注目してみてください。
タウリン:肝機能強化
タウリンは肝臓の機能を高め、解毒・消化吸収をサポートする働きがあります。アルコールの飲み過ぎや二日酔いの方におすすめです。
生薬:風邪予防、疲労回復、滋養強壮など
風邪の初期症状などにおすすめです。
ケイヒやショウキョウには熱さましの効果、ニンジンやゴオウには疲れた体を整えてくれる滋養強壮の効果があります。
カフェイン:眠気さまし、倦怠感の改善など
集中したい仕事や勉強の際に眠気をさまして頭をシャキッとさせたり、疲れをとる効果があります。
医薬部外品の栄養ドリンクはカフェインの含有量に規定がありますが、食品であるエナジードリンクには規定がありません。
飲むタイミング
飲むタイミングは決められていないものが多いですが、栄養の吸収を期待する場合は「食後」、疲労回復を期待するなら「寝る前」、疲れが取れない場合は「起床時」など、目的に合わせたタイミングで飲むのがよいでしょう。寝る前に飲む場合は、睡眠を妨げないノンカフェインのドリンクを選びましょう。
注意点
栄養ドリンク、エナジードリンクは飲む目的やシーンにあわせて必ず用法用量を守って飲むようにしましょう。漫然と長期間にわたって飲むことで気づかないうちに飲み過ぎとなってしまい、思わぬ体への負担へつながる場合があります。特に、カフェインは過剰にとってしまうと、中枢神経系の刺激によるめまいや心拍数の増加、不眠、下痢、吐き気などの健康被害をもたらすことがあるので注意です。1日に何本も飲まないようにしましょう。
また、ドリンクを飲み続ける中で気になる症状がなかなか改善しない場合やさらに不調が現れるような場合は飲むのを中止し、医師や薬剤師に早めに相談するようにしてくださいね。
普段服用しているお薬がある方は種類によって注意が必要な場合もあります。販売店舗の薬剤師などに併用が問題ないか購入前に確認いただくと安心ですね。
さいごに
栄養ドリンク、エナジードリンクは手軽に手に入る分、自身で正しい知識を持って選ぶことが大切です。また、人の健康の基本はバランスのよい食事と睡眠です。まずは生活習慣を整えたうえで活用をしていけるとよいですね。
参考