2023年 日本の※1就業者数は6745万人であったと発表されました。労働人口は2018年の統計より増加傾向となり、その背景には近年女性の活躍場所が増えたことや高齢者の労働時間が増えたことが要因の一つとなっています。しかし、働いてみると体調面・精神面で仕事に支障がでてしまい休職や退職といった選択をする時があります。
社会雇用の多様性の中、今後1人1人が”健康で働く”ということに積極的に取り組むにはどの様なことが必要なのか考えてみましょう。
健康課題とは
現在、日本人の3人に2人は生活習慣病(がん・心疾患・脳血管疾患)で亡くなっています。その原因として食生活の乱れやストレスがあげられます。酒・たばこも要因の一つです。
〔出所〕生活習慣病を知ろう!(厚生労働省 健康局総務課 生活習慣病対策室)
近年では精神疾患の患者も増えてきており、不安症や不眠症の症状のほかうつ病の症状が現れ人生の質(QOL)低下も報告されています。精神科に受診することも、壁が高く症状が出ていても自分で気づくことは難しいでしょう。その場合は周りの人が変化に気づき受診を進めることが重要になってきます。また、高齢者の雇用の促進に伴い更なる健康意識を持って生活しなくてはならなくなっています。予防対策として1年に1回の健康診断の推奨や企業側は産業医や保健師を配置し職員カウンセリング・健康管理を行うことなどが義務づけられていますが現状患者数は減少していないのです。
健康経営の取り組み
2016年に経済産業省が「健康経営は人的資本への投資であると」公表し企業側は健康経営を行うことを求められることになりました。
健康経営とは、企業が経営理念の実現、経営課題の解決と位置付け従業員の健康保持・増進に取り組むことで生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や組織としての価値向上へ繋がることが期待されています。
出典:日本WHO協会ホームページ
健康診断を受けるだけでは健康な体を守ることは難しく、こうした取り組みで健康へ意識を向けて自ら対策や解決法を見いだすことで離職率の低下や雇用延長にも繋がります。こうした世間の働き方がこれからも社会環境の改善を促していくことでしょう。
離職の選択
体調がすぐれず離職を選択する人は少なくありません。治療に専念しもう一度就職して働きたいという方のサポートも整っています。
・長期療養者就職新事業
がん・肝炎・糖尿病等の症状により、長期にわたり治療を受けながら就職を希望される方の支援制度になり、専門の相談窓口がハローワークに配置されています。〔出典 厚生労働省〕主なサービスとして下記があげられます。
◇仕事復帰の相談。
◇職業訓練や就職セミナーなどのご紹介。
◇症状、通院状況に配慮した求人探しや応募企業への相談。
・両立支援について
厚生労働省が作成した事業現場における治療と仕事の両立支援のためのガイドラインにも記載されていますが、治療と仕事を両立するための支援制度になります。
労働者と医師と事業場が連携しいくことで健康状態の把握を行い無理のない範囲での仕事を行うことができます。このように生活の向上や働き方の向上により、多くの方が就職の幅を広げることができ人生の質向上を目指すことができます。 相談窓口はハローワークや保健所で対応可能となっています。
〔出典 厚生労働省〕
さいごに
健康に気を付けて生活をすることは10年後20年後の病気予防対策にもつながります。
人はいつどんなタイミングで病気になるかはわかりません。高齢化社会において働くことは今度長期に行うことになります。心や体の不調が現れたときは無理せずかかりつけ医に相談し、また行政のサポート支援を利用してみてはどうでしょうか。