五月病とは
五月病とは、新しい環境にうまく適応できずに心身に不調があらわれることです。以前は新入生や新社会人に限定して捉えられていたこともありますが、今ではどの人に対してもこの時期に使われる言葉になりました。1968年には流行語にもなりました。4月に今年度がスタートして、一生懸命に新しい環境に慣れようとしてきてゴールデンウィークに突入し、明けた頃にやってくる心身の不調を指して五月病と言います。
今年もゴールデンウィークがきています。毎年やってくる大型連休が明けて五月病にならないためにできるケアを考えていきましょう。
五月病の症状
「朝起きれない」「体がだるい」「人とかかわるのがめんどうだ」「吐き気や頭痛がする」「いつもは楽しいと思うことなのにやる気が出ない」こんな症状が起きたら五月病かもしれないと疑ってみましょう。特に今年から環境が変わった人は要注意です。新入社員や異動で部署が変わった、転勤になったなど大きく環境が変わると慣れるのに当然時間がかかります。体だけでなく、心もそれに伴い安心感を得るには時間を要します。慣れない環境の中、4月に頑張った反動がゴールデンウィーク明けにくることがあります。これが五月病と言われるものです。誰にでも起こりうるものなので、あまり重たく考えずにいましょう。夏の暑さに慣れてくるころには収まっているだろうなと捉えてやり過ごすのも一つの方法でしょう。
ただ深刻になってくるようであれば医療機関を受診しましょう。2週間以上続くような場合は早目の受信が必要と考えましょう。五月病は病名として正式なものではなくて一般的に呼ばれている通称です。うつ病や適応障害の一歩手前に来ていると捉えておきましょう。また、診断をきっかけに潜んでいる病気を発見できるかもしれません。ひどい場合は躊躇せずに医療機関を受診しましょう。
次になりやすい人の特徴も見ていきましょう。
五月病になりやすい人のタイプ
元々の性質として頑張りすぎる人や真面目できちんとするタイプの人は五月病になりやすい傾向があります。「ちゃんとしないといけない」「もっと努力しなければ」「早く新しい環境になじまなければ」「頑張るのは当たり前」普段からこのように考えている自覚のある方は要注意です。うまくいかないなと感じることが続くと、「なんで自分はできないんだろう」と感じてしまうとイエローカードだと思いましょう。その状態が改善されないでいると次第に眠れなくなってきたり、朝だるさが残ってしまったりと症状が重たくなっていくかもしれません。
また自分に高い目標を設定している人の場合も同じように五月病になりやすいようです。「こうでなければならない」「もっとできるはず」と思っているとそのギャップに苦しくなってくるかもしれません。あまり自分を追い込まずに段階を経て少しずつ高みを目指していくように考えてみましょう。日頃から心のケアも心がけていく必要があるでしょう。
五月病を予防するには(早目の対策としても使えます)
体をケアすることで予防できる方法と、心をケアすることで予防できる方法があります。早目の対策としても使えます。少ししんどいかもと感じたら行っていきましょう。
体をケアする方法
睡眠をしっかり取る
いつもより1時間早く寝るようにするなど、睡眠がしっかりとれるように工夫しましょう。良い眠りは何よりも体と心をケアします。またリズムも大切です。休日だからといっていつもより3時間も多く寝たとなるとリズムが狂い、スムーズに夜眠りに落ちれなくなるかもしれません。バランスを心がけましょう。
お昼寝をする場合は、15分~20分くらいにしておきましょう。夜の眠りを妨げない範囲で適切に昼寝をするのはリフレッシュになるでしょう。
太陽にあたる
午前中に太陽の光を浴びることでメラトニンが分泌されて睡眠が促されます。20分間でいいので午前中に少し日光にあたりましょう。
食事は就寝の3時間前までに済ます
これも睡眠をサポートするために整えましょう。寝る直前に食べると寝つきが悪くなる傾向があります。
運動は週に一度は1~2時間行うようにする
激しい運動はかえって寝つきを悪くしてしまいます。軽く動くことは睡眠にもいい影響を与えてくれるでしょう。
心をケアする方法
考え方を見直す
「~すべき」が多いと状況によっては追い詰められていくことが予想されます。「まぁいいや」「なんとかなる」という思考も取り入れるようにして、心が悲鳴を上げないように普段から整えておくと急にメンタル不調に陥るリスクも減ります。
自分に甘くする時間を用意しましょう
心のメンテナンスとして、頑張った自分にご褒美を上げる時間を作りましょう。頑張らないことを「許す」時間です。これがあるだけでずいぶん違ってくると思います。追い込み過ぎを防ぐために自分を大事にする時間を作りましょう。
周りに愚痴をこぼす
愚痴をこぼすことで得られることもあります。吐き出すことは心にとっては堪忍袋に詰め込んでいるストレスを減らすことができるでしょう。少ししんどくなってきたなと感じるときは率先して周りに愚痴をこぼすようにしてみましょう。
ため息をつく
あえてため息をつくのも吐き出しの一環にあたります。周りに愚痴をこぼせない人は、大きく息を吸って、大きいため息を吐くことも同じような効果につながります。深呼吸をする要領で大きく息を吸って、ストレスが息とともに体から出ていくイメージをしながら大きく息を吐きましょう。
いかがでしょうか。5月病に恐れすぎず、体と心のケアをしながら自分らしく生活できるように心がけましょう。