離職を防止するには社内の環境を改善して従業員に長く勤めてもらわなければなりません。そのためにどんな策を立てればいいのか具体的に紹介していきます。
本記事を読めば、離職の原因を理解し自社で打つべき施策を理解することができます。
「離職の原因はなに?」
「離職する可能性の高い従業員はどんな人?」
「具体的な離職防止策はなに?」
本記事ではこのような悩みをお持ちの方に向けて、離職の原因や離職する可能性の高い従業員の特徴、離職防止策などをご紹介します。
是非自社の離職防止にご活用ください。
離職防止とは
離職防止とは従業員の離職を防ぐための施策を指します。
離職防止の施策には社内体制を見直す内部的方法と離職防止ツールなどのITシステムを活用する外部的方法があります。 本記事では、離職の根本から見直せるように内部的な方法について詳しく解説していきます。
離職防止対策が重要視されている背景
近年、離職防止対策が重要視されている背景は下記のことが考えられているためです。
・労働人口減少による人材獲得の難化
・副業人材の増加に伴う転職者数の増加
・若年層の離職率増加
このように人材流出が課題となっているため管理者は離職防止策を練る必要があります。
厚生労働省の調査では、2019年新規大学卒業就職者の3年以内離職率は、31.5%となっています。
引用:新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)を公表します
離職につながる4つの原因
離職をする原因は以下の4つが考えられます。離職防止策を練る前に原因を知っておきましょう。
給料に不満がある
離職の原因で目をそらせないのが給料です。
人事制度の内容と実際の給与にギャップがある場合も少なくありません。そのような場合にはモチベーションの低下や会社の不信感に繋がります。 給与形態の認識に齟齬が生まれないよう、入社前にはお互いが同じ認識を持てるような体制をとり、どのような貢献をしたら給料に反映されるのかを予め決めておきましょう。
縛られた働き方に対する不満
従来は会社に出社して仕事をする働き方が一般的でした。近年はインターネットやSNSなどを活用した、時間や場所に縛られないフリーランスといった働き方が流行っています。さらにコロナの影響もありその風潮は一気に加速されました。 残業や通勤がネックになり、離職を考える方も多いのが現状です
人間関係のトラブル
働く上で人間関係は働きやすさに直結する要素です。
例えば、高圧的な上司との人間関係でうまく行ってないとモチベーションが下がり仕事に行くのが憂鬱な気分になります。
職場単位で人間関係が良好でないと相談できる相手がいない状況になってしまいます。人間関係のトラブルが蔓延していると悩みが改善されないため離職につながります。
会社の将来性に対する不安
会社の業績が不安定で、「このまま続けても大丈夫なのか」という不安から離職するケースもあります。また「この会社にいても成長できない」「仕事にやりがいを持てない」といった想いの方もいます。
業務内容と人材のミスマッチが生じないようにするため、適切な配置転換を行い不安を残さないことで離職防止に繋げることが大切です。
離職する可能性が高い従業員の特徴
ここからは離職する可能性の高い従業員の特徴を解説していきます。
離職する可能性の高い社員の特徴を知ることで、該当する社員がいたら面談を実施するなど離職防止に努めましょう。
仕事へのモチベーションが低い
退職を考えている人は仕事に対するモチベーションが下がり、仕事に対する熱意や注意力が低下します。例えば、もともと意見を出すことが多かった従業員が意見を出さなくなったり、営業での目標数字が達成できなくなったりします。 このような状態が続くようであれば、面談を実施して話を聞くなどの対策を取ると良いでしょう。
仕事を早く切り上げる
普段退社時間の遅い人が早く帰宅するようになったり、有休を普段使わなかった人が急に使うようになったりする場合は、転職を考えている可能性があります。
時間外労働を減らすことが一番ですが、離職防止の観点では今までの働き方から急に変化があった従業員がいないか確認することも大切です。
コミュニケーションが希薄になる
突然コミュニケーションが希薄になった場合も離職する可能性があります。
具体的には以下のような状態になると注意が必要です。
・挨拶をしない
・コミュニケーションを取ろうとしない
・以前と比べて元気がない
これは離職を考えていなくても、心身の健康状態が良くないことがあるので原因を確かめる必要があります。
離職防止施策おすすめ5選
ここからは離職する原因と特徴がわかったところで離職防止に対する施策をご紹介します。
社内コミュニケーション
コミュニケーションの徹底化は離職防止に最も有効な手段です。
ランチ会や会社全体でのイベントなど、対面で交流する機会がおすすめです。
離職防止対策になることはもちろん、普段関わらない方と接する機会になるため、人間関係の構築やビジネスアイディアの捻出などにも繋がります。
強制参加にする必要はありませんが、会社の行事ごととして定期的に開催できると良いでしょう。
人事評価制度の見直し
制度の見直しをすることにより社員のモチベーションや愛社精神が上がり、仕事に対する貢献意欲が湧いてきます。
給料を上げるのも離職防止策の一つですが、社員のモチベーションを上げることが目的なのでただ上げるだけでは根本解決にはなりにくいです。
評価するにあたって上司や評価する人の個人的な感情が入らないように、誰が見てもわかる客観的で透明性のある制度を作らなければなりません。
長時間労働の削減
長時間労働が蔓延している会社は早急に改善しなければなりません。
長時間労働が続くと健康に支障をきたすことがあります。ひどい場合は過労死に至ることもあります。そうなると会社のイメージダウンにつながります。
削減方法としては勤怠管理システムを導入して労働時間を管理する方法などがあります。また、有給休暇の取得を推進することも一つの離職防止策です。
福利厚生の充実化
福利厚生とは会社が従業員に対して給料とは別の形でサービスを還元するものです。
具体的には以下のようなものです。
・食事補助
・自己啓発支援
・資格取得補助等
こういった制度があると従業員も会社に対する貢献意欲が生まれます。自己啓発支援、資格補助といった制度は社員の成長にもつながるため会社の生産性を上げることに繋がるでしょう。
柔軟な働き方の選択肢を増やす
上述したように、コロナの影響で時短勤務やテレワークを導入する企業が増えています。
テレワークの導入は通勤時間がなくなることで通勤時のストレスが軽減され、時間を有意義に使えるといったメリットがあります。
また、育児や介護が原因で離職する人もいる中で育児・介護休暇を推進することは家庭と仕事の両立ができるため仕事をあきらめる必要がなくなるのではないでしょうか。
まとめ
離職者が年々増えている傾向が見受けられ、新卒3年以内の社員の離職率も増えています。これらは働き方が多様化したことが原因と考えられます。
そんな中、会社の人事担当者や所属管理者は離職防止策を講じなければなりません。特に人間関係や給料、働き方に関しては最も改善の余地がある部分なので時代に沿った改革が求められることとなるでしょう。有能な人材の流出を防ぐためにも、本記事を参考に離職率を減らし、より良い社内体制を築いていきましょう。