2024夏 コロナ最新情報 ―後編―

2023年5月より「5類感染症」へ移行となった新型コロナウイルス感染症。
前回は新型コロナウイルス感染症の症状や感染対策、感染した場合の対応について解説をしました。

2024夏 コロナ最新情報 ―前編―

今回は後編として、新型コロナウイルス感染症の治療薬の種類や費用負担の変更について最新情報をお届けしていきます。

治療方針について

新型コロナウイルス感染症は、重症化リスクあるか、症状がどの程度かによって対処法が異なります。
感染が疑われる・感染が分かった場合に、まずはご自身や家族の重症化リスクを確認しましょう。

★重症化リスクについて

前回のコラム「2024夏 コロナ最新情報 ―前編―」においても先述していますが、
重症化リスクが高い方として、
・65歳以上の高齢者
・肥満
・妊娠中の方
・基礎疾患などがあり、他の薬を服用中の方
などがあげられます。 特に高齢者や基礎疾患のある方は、重症化しやすいことが知られていますので注意が必要です。リスクが高いと考えられる方は症状が軽い場合においても、まずは早めにかかりつけ医にご相談をしていただくとよいでしょう。

重症化リスクが低く、症状が軽い人に関しては、市販の解熱鎮痛剤を服用し自宅安静で様子を見ていただくのも方法の一つです。いざという時のために、常備薬として事前購入しておいてもよいでしょう。
使用するお薬は薬局・ドラッグストア等の薬剤師に相談し、自分の症状や体質に合ったものを選んでいただくと安心ですよ。
解熱鎮痛薬を飲むときの注意点として、他の解熱鎮痛薬や風邪薬と併用しないようにしましょう。解熱鎮痛薬や風邪薬には同じ効果をもつ成分が含まれているため、同じような成分が重複してしまうことがあります。
市販薬を服用しても症状がなかなか改善しない場合は、必ず医療機関を受診するようにしてくださいね。

★症状の分類について

新型コロナウイルス感染症の症状は、軽症~重症に程度の分類がされています。

・軽症:咳のみで息苦しさなどの呼吸器症状はなく、肺炎の所見もない状態

・中等症:息苦しさや肺炎が認められる状態または血液中の酸素の量が一定基準より低下し、自力での呼吸が困難な状態(呼吸不全)。
※肺炎が認められ、酸素投与が不要なレベルを中等症Ⅰ、酸素投与が必要なレベルを中等症Ⅱとして区別する。

・重症:肺炎が進行して自力での呼吸ができず、全身に炎症が出たりする状態

これらのレベルによって治療方針や治療薬の選択が変わってきます。

重症度別の治療選択について

(※)ECMO(エクモ):体外式膜型人工肺

治療薬の種類

現在、厚生労働省の承認を受けている新型コロナウイルス治療薬は「抗炎症薬」「抗ウイルス薬」「中和抗体薬」の4種類があります。
新型コロナウイルス感染症は、発症後数日はウイルスの増殖がみられ、発症後7日前後からは炎症反応がみられると考えられています。重症化リスク因子のある方などへ重症化を防ぐ目的で、症状が軽症の方を対象とする場合は「抗ウイルス薬」と「中和抗体薬」、中等症~重症となった方を対象とする場合は抗炎症薬で炎症を鎮める治療法が検討されます。
それぞれのお薬の特徴をまとめました。

今回軽症~重症の方まで幅広く使用適応のある、抗ウイルス薬について少し詳しくお話しします。

抗ウイルス薬で一般に流通しているものは以下のものがあります。
・「レムデシビル」(販売名:ベクルリー)
・「モルヌピラビル」(販売名:ラゲブリオ)
・「ニルマトレルビル・リトナビル」(販売名:パキロビッドパック)
・「エンシトレルビルフマル酸」(販売名:ゾコーバ)

抗ウイルス薬に分類されるお薬のそれぞれの特徴をまとめました。

注意点

上記の一覧にまとめましたが、薬の種類によっては妊娠中の方や他に指定の薬を飲んでいる方が使えないものもあります。
新型コロナウイルス感染症に限らずですが、必ず自分の体質や他の基礎疾患等で飲んでいるお薬について医師・薬剤師に伝えるようにしましょう。
常に自分が使用している薬がわかるようにお薬手帳・アプリを携帯しておくと安心ですね。

治療薬の費用について

今年の4月より治療薬の費用負担は大きく変わりました。


<2024年3月31日まで>
【上限額】(※各治療薬共通)

<2024年4月1日以降>
公費負担は終了
自己負担割合に応じた、通常の窓口負担へ
※医療保険において、毎月の窓口負担(治療薬の費用を含む)について高額療養費制度が設けられており、所得に応じた限度額以上の自己負担は生じない


2024年3月31日までは新型コロナ感染症の治療は、それぞれの自己負担割合にあわせ上限額を超える部分を公費によって負担がまかなわれていましたが、4月1日以降は公費負担が終了となり、通常の医療体制に移行をしています。 つまり、インフルエンザや風邪などと同じように、医療費の自己負担割合に応じた、通常の窓口負担となります。
例えば、抗ウイルス薬の「ゾコーバ」が5日間病院で処方をされた場合、お薬の価格がおよそ5万2000円のため、医療費の窓口負担が3割の人は、約1万5500円を自己負担することになります。
以前よりお会計で大きく負担額が変わる可能性がありますので、情報としてぜひ頭に入れておきましょう。

さいごに

「2024夏 コロナ最新情報」今回は後編をお届けしました。
治療薬の費用負担変更については、詳しく知らなかったという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ご自身・ご家族のいざという時に慌てないためにも、ぜひ本コラムの情報を役立てていただけると嬉しいです。
今後も最新情報を発信していきます!

参考

厚生労働省ホームページ

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