
フレネミーとは
「フレネミー(frenemy)とは、「友達(friend)」と「敵(enemy)」を掛け合わせた造語です。意味は、「友達のふりをした敵」とされます。
皆さんは、表面上は親しげに接してくるけれど、実際には裏で足を引っ張ったり、貶めようとしたり、知らないところで悪口をたくさん言われてしまっていた・・などの経験はないでしょうか?他にも友人だからと思って信頼して話したプライベートな内容を勝手に周りに話されてしまっていた、なんてこともあったりしませんか?そういう一見友達に見えて、実は敵だった・・という相手のことをフレネミーと言います。
元々はアメリカで生まれた造語で、いくつものドラマでこの言葉は登場し、広がりました。言わずとも想像できると思いますが、フレネミーは女性同士の関係性において起こりやすいという特徴があります。
造語は昔からあったものではなく、比較的最近使われるようになった言葉ではありますが、こういった関係性の相手は古くからあったのではないでしょうか。今回は表面上としては友達だけれども、実は「友達」とは真逆の「敵」な相手に対する対応策や持っておくべき考え方などを、ここでお伝えしていきたいと思います。

なぜか「友達」の仮面をかぶる人たち
相手が「友達」なのか、「敵」なのかがはっきりわからないわけので困惑するわけですが、そもそもなぜこのような関係性を作ろうとするのでしょうか。動機はどこにあるのか考えてみましょう。
他人に対する嫉妬や妬みなどの思いが原点にあるのではないでしょうか。最初は純粋に「友達」だったのかもしれません。しかし関係ができていく中で、相手が自分よりも少し豊かだと気づいたとき自分との差を感じてしまうことはあると思います。豊かさとは、容姿、能力、家柄、その人が持つ関係性など、あらゆることが対象となり、自分よりも少し豊かな友達に嫉妬や妬みを持つときに普通の「友達」だった関係が変化しフレネミーになってしまうことがあるということです。
「マズローの5段階欲求」から考えてみましょう。
①生理的欲求が満たされると、②安全の欲求を求めるようになり、次に③社会的欲求、そして④承認欲求、最後に⑤自己実現欲求という順番に人は求めていきます。①②③は整っているという場合、残るは④の承認欲求と⑤の自己実現欲求ということになります。
社会に所属したいという要求がある中で、周りと比べて自分の方が満ちていれば承認欲求も満たされるような言葉を周りからかけてもらえるでしょうし、自己実現欲求も求めていくことができるというわけになります。その時の手段が、友達を蹴落として手に入れようとする人がフレネミーというわけです。つまり、フレネミーな人はそれだけ人生をもがいていて他人から承認されたいと強く思っている人、ということになります。
他人に認められたいと思っているという自覚が無い場合もあるでしょう。
単に「好きだけど嫌いなところもある」というように認識しているだけかもしれません。しかしその根っこには、周りに認められなければ自分が自分自身を肯定することはできないから、友達を蹴落として辱めてでも周りから認められる必要があるということになるのだと思います。つまり見方を変えると、フレネミーな人たちは一生懸命生きようとしている人だと言えるとも思います。
フレネミーな人の心理をまとめると、
・承認欲求に飢えている
・劣等感が高い
・自己肯定力が低い
・コントロール欲が高い
・依存心が強い
・勝負に勝ちたい欲求が高い など
どんなことをしてくるのか
フレネミーな人たちによってどんな仕打ちを被るのかについても少し紹介しておきます。
・表面上は協力的だが、陰でマウントを取る
・プライベート情報を漏洩される
・仕事の場合、成果を横取りし上司へのアピール
・直接的にもさりげない比較をしてくる、皮肉を言われる
・子どもの受験でマウントを取ってくる
・都合の良い時だけ連絡してくる
・悪意のある噂を流布される
・ネガティブなレッテルを貼ってくる
・急な手のひら返しをしてくる など
被害を受けないようにするにはどうすればいい?
フレネミーな人に迷惑をかけられないようにするには、相手をよく観察し、言っていることと行動に矛盾が無いかを確認するようにしていきましょう。裏表がある人というのは、しぐさのどこかに本音が表れるものです。本音が態度やしぐさに表されるのは、ほんの1秒にも満たないかもしれません。観察しようとしていなくては見えてはこないでしょう。
相手を疑っているようで嫌な気持ちになるかもしれませんが、相手をしっかりと知り、自分を守り、関係性を築いていくことは悪いことではありません。
相手が良い人であれば、長く信頼関係を続けていく努力を惜しまないようにしましょう。周りに信頼の深い相手がいれば、フレネミーも警戒して寄り付かないでしょう。
そうやってそもそも本物の信頼関係を作っていこうとすることは大事だと思います。
