【5分で読める】勤務間インターバル制度とは?「基本」をわかりやすく解説

あと少しだけ、これが終わったら、とついつい残業をしがちになってしまう企業が多いのではないでしょうか。長時間の連続した勤務はパフォーマンスを低下させると言われています。安全に業務し、パフォーマンスを維持するためにも休憩時間は必要です。ではどのくらい必要なのか、今回の記事で説明していきます。

勤務間インターバル制度とは?

勤務間インターバル制度とは、労働者の日々の勤務時間について、1日の勤務終了後から翌日の始業時間までの間に、一定時間以上の休息時間を設けるルールのことです。

勤務間の休息時間(インターバル)が十分な長さになるように社内で制度化することによって、深夜の残業をはじめとした労働者の過重労働を未然に防ぐことができます。また、労働者の睡眠時間や生活の時間を十分に確保することで、心身の健康を保つことができるようになります。

勤務間インターバル制度の導入例

勤務間のインターバルは具体的に何時間必要なのかという目安については、最低連続9時間以上が必須で、連続11時間以上の休息時間が必要とされています。

たとえば、始業時刻が午前9時の場合、前日遅くまで残業をして退勤が23時になると、勤務間のインターバルが10時間となってしまいます。

このような状況で11時間のインターバルを確保するには、翌日の始業時刻を10時以降に遅らせるか、22時以降の残業を禁止するかのいずれかが必要です。

また、勤務間インターバルは連続した休息時間でなければなりません。たとえば、4時間以上の休息を3回与えたとしても、連続11時間以上の勤務間インターバルとはなりません。

このようなことをルール化して就業規則に盛り込むことで、従業員の過重労働を防ぎ、ワーク・ライフ・バランスを保ちながら勤務できるようになります。

勤務間インターバル制度の導入努力義務化

日本においては、2019年より勤務間インターバル制度の導入は努力義務となりました。

・勤務間インターバル制度の努力義務化の根拠は?

勤務間インターバル制度の努力義務化の根拠は「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」にあるとされています。

この法律の第2条第1項では、事業主に対して、従業員の健康と福祉を確保するために、終業時刻から始業時刻までの時間設定を含む適切な措置を講じるよう求めています。

・勤務間インターバル制度に違反すると罰則はある?

現状、日本においては勤務間インターバル制度の導入は法律で定められた義務ではありません。

事業主が勤務間インターバルについての規定を就業規則に盛り込まなかったり、実際に連続休息時間が11時間未満の日があった場合でも、罰則があるわけではありません。

政府による勤務間インターバル制度の導入促進の施策

政府は令和3年7月30日に「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の変更を閣議決定しています。その中で、勤務間インターバル制度についての具体的な数値目標を以下のように定めています。

・勤務間インターバル制度の周知… 勤務間インターバル制度について知らない企業の割合を令和7年(2025年)までに5%未満にする

・勤務間インターバル制度の導入促進…勤務間インターバル制度を実際に導入している企業の割合を令和7年(2025年)年までに15%以上にする

実際に、勤務間インターバル制度を新たに導入する中小企業を対象とする助成金もスタートしています。

勤務間インターバル制度に関する助成金

厚生労働省では、「働き方改革推進支援助成金」の一部として「勤務間インターバル導入コース」の申請受付を実施しています。

この助成金の申請期間は2023年の11月末までです。

・働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)とは

勤務間インターバル制度に関する助成金は中小企業事業主を対象としたもので、主に以下の条件があります。

・過去2年間に月45時間を超える時間外労働の実態がある

・年5日の年次有給休暇の取得に向けての就業規則をすでに整備していること

・助成金を受けるために必要な取り組みを実施すること

このように、ある程度の残業が発生している事業主に対して、残業を抑制する取り組みを補助する目的の助成金です。

対象は中小企業に限定され、大企業や個人事業主は対象外です。

・助成金を受けるために必要な取り組み

勤務間インターバル制度の助成金を受けるために必要な取り組みは主に以下のようなものがあります。

・労務管理担当者に対する研修、労働者に対する研修、周知・啓発

・就業規則や労使協定等の作成・変更

・社会保険労務士、中小企業診断士などのコンサルティングを受ける

・労務管理用ソフトウェアや労務管理用機器の導入・更新

このような施策を実施する予定のある中小企業事業主は、勤務間インターバル制度導入のための助成金の対象になる可能性があります。

まとめ

勤務間インターバル制度とは、勤務終了時刻から翌日の始業時間までに、目安として連続した11時間以上の休息をとるよう定めるルールのことです。

現状は努力義務に留まり違反しても罰則はありませんが、従業員の健康を守り、ワーク・ライフ・バランスを保つために重要な制度です。

勤務間インターバル制度を積極的に採り入れようと取り組む中小企業向けの助成金もありますので、興味のある方は厚生労働省のウェブサイトを確認してみてはいかがでしょうか。