有期雇用と無期雇用の違いは、大まかに雇用形態のことです。
その中で、期間を定めて働くことが「有期雇用」、期間を定めず定年まで働くことが「無期雇用」と言われます。今回は、有期雇用と無期雇用のメリットやデメリットを紹介していきます。
有期雇用について
主に契約社員、パートタイム、アルバイトなどで、その表現は各社でも違いがあり、フレックス社員やメイト社員などと言われている場合もあります。
その期限は様々で、6か月、1年など期限が近づくと契約を更新しますが、最長5年を超えた時点で無期契約の更新権利が発生します。これは企業側では拒否できないルールとなっています。
しかし派遣社員には、「3年ルール」という規則があり、同じ企業の同じ部署で3年以上働いてはいけないというものです。更に、契約更新は派遣会社で行う必要があります。
無期雇用について
無期雇用とは、前述していますように期限の定めがなく、企業の就業規則に定められた定年まで働くことが出来ます。以前は正社員のことを表す表現でしたが、2012年に定められた労働契約法の改正に伴って、契約社員やパート・アルバイトなども無期雇用で働くことが出来るようになりました。
有期雇用のメリット・デメリット
・メリット
一番のメリットは、勤務地、職種、勤務条件など、自分のライフスタイルに合った仕事を探すことが出来るという点です。
雇用側での規定で、必ず自分のマッチした条件が100%通る訳ではありませんが、挑戦してみたい職種の選択視野が広がることは魅力的です。
雇用側も契約外の労働を頼むことが出来ないため、残業がありません。そのため、仕事と私生活のバランスがとれてストレスが最小限に抑えられます。自分の生活形態に合わせて仕事が選べるため、本業の合間に副業として働くことも可能であるという事です。
・デメリット
先に挙げました給料が時給制のことが殆どで、雇用期間間近になると会社側から契約更新の是非が問われ、企業によっては再雇用がない場合もあります。そんな時は収入が途絶えてしまい、新たに就職活動をしなければなりません。
また、給料が時給制のことが多く、月に入る給料の額が一定ではありません。更に、雇用期間が終わると、収入が途絶えてしまう可能性もあります。
無期雇用のメリット・デメリット
・メリット
無期雇用社員には、言うまでもありませんが契約期間が無期限となり、収入が安定します。派遣社員のような雇止めを心配することもありません。
キャリアを充実させたい方にとっては、長期的なキャリアのスキルを図ることが出来ます。就業期間を更新する必要もなくなり、長期案件などの仕事にも集中することが出来るようになります。
契約を更新することがなく同じ職場で同じ仕事が出来るため、今までやってきた仕事を安心して続けられるというメリットがあります。それは有期雇用にはない達成感というものでしょう。
有期雇用の場合は、全員ではありませんが職場を転々と変えるため、せっかく覚えた仕事も終わりになり、次の職場でまた１からやり直す必要があるため、仕事を覚えるまでのストレスがあります。
しかし、無期雇用だとそういったストレスがないため、スキルを向上させたい方にとっては、最高の働き方と言って良いでしょう。
・デメリット
無期雇用とは無期契約社員のことで、正社員ではありません。そのため、雇用関係は継続しても正社員のような待遇になるのは難しいという事です。現実には、契約は有期雇用の内容のまま引き継がれ、正社員と同じ様なボーナスや退職金が約束されるのは難しいでしょう。
また、昇給や昇格もあまり期待できないのが現実です。併せて、有給休暇、産休、福利厚生なども今まで通りのことが多く、無期雇用されたからと言って大幅な待遇改善は期待できません。
一方で、有期雇用の時と比べると責任が課せられ、少しの手当てで我慢するしかありません。全ての企業がそうではありませんが、昇格、昇給、待遇改善の可能性は少ないと思わなければなりません。
無期転換について
以上のことを踏まえまして、有期雇用から無期雇用に変わりたい方には無期転換申請という制度があります。
有期雇用契約をしてから5年が経過した時点で、「無期転換申込権」が発生します。この権利は企業側が拒否することはできません。
就業規則などは各企業によって違いがありますが、ほとんどの場合、各個人の労働条件で別途決まりがある例を除き、有期雇用時での契約が継承されることとなります。
有期雇用・無期雇用には様々なメリット・デメリットがありますので、一概にどれが良いとは言えません。あくまでも自分の生活スタイルや目指すものにより、雇用形態を選ぶ必要があるでしょう。
引用元：https://muki.mhlw.go.jp/part_time_job/ 厚生労働省 有期契約労働者の無期転換ポータルサイト
