ファミワンでは毎年夏に性教育の無料イベントを実施しています。包括的性教育の中の一つの要素である「ジェンダー」について自分事に落とし込める良い題材として書籍を紹介したいと思います。私がこの本を読んだ率直な感想をもとに、ジェンダーについて自然に落とし込むきっかけになりましたら幸いです。
「LGBTQって言葉は聞いたことあるし、なんとなくの意味も知ってるよ。今はレズとかホモとか、そういう言い方はしちゃいけないんだよね。わかってるよ、そんなこと。そうなのかなって思う子がクラスにいたこともあるけど、別にあえて聞かないし、自分から話したりもしないし」
リビングに置いてあった一冊の本をひらひらと振りながら、娘がそう話し始めた。くもん出版の『空と花のパレード』。LGBTQをめぐる物語だ。
「――私? 私はまだ誰かを好きになったことはないから、わかんない。自分のことは一応、女の子だとは思ってるけど。ランドセルは黒がよかったし、ピンクはあんまり好きじゃないから、一番好きな色はミントグリーンかな」
娘の中では、LGBTQやジェンダーの話はもう理解しているつもりらしい。特段、困っていることもなさそうだ。それを聞いて、私はホッとしていた。娘が生まれたとき、私は「もしこの子の性自認が男の子だったら」と考えて、性別を感じさせない名前をつけた。性のことで苦しまないように、と配慮したつもりだった。いや、でも――なぜ今、ホッとしたのだろう。生物学的に女の子である娘の性自認が、女の子だったから?無意識のうちに、自分にもバイアスがかかっていたことに気づかされる。
物語の中で、空と花は「自分はここにいるんだ」というメッセージを伝えるためにパレードをする。そんなことしなくてもわかっているよ、パレードまでする必要がある? そう感じる人もいるかもしれない。正直に言えば、私も最初はそう思った。けれど、彼らの生きづらさは生活の隅々に散らばっていて、日々それに直面しては傷ついている。そうと分かったとき、それでも胸を張って堂々と生きたいと願う彼らの姿に、胸が熱くなった。
娘の性自認にホッとする。友人に恋人ができたと聞けば「彼氏できた?」と相手の性別を決めつける。女の子っぽい、男の子っぽい、女子力、イクメン――例を挙げればきりがない。
男女の二択で語れる例はまだ分かりやすいが、LGBTQのなかには特定の性に当てはまらない人もいる。そうなるともう、性別を前提に考えてきたこれまでを、まるごとひっくり返すくらいの革命が必要になる。でも、実際にそうなのだ。アライ(当事者ではないけれど、理解し支える立場の人)になろうと思うなら、これまでの全部をひっくり返さなければならない。それは勇気がいることだし、気をつけても気をつけきれないこともありそうで、正直、臆病にもなる。
それでも、まずは知ること。そして、その人の気持ちを想像すること。そのために本を読む。それが、今の私にできるアライへの第一歩だと思った。
『空と花のパレード』を読んで、LGBTQについて考え、何かを感じ取れる子どもたちであってほしい。
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