はじめに
近年企業では働き方改革が進み、健康経営が叫ばれるようになってきています。企業が従業員の心身の健康をサポートすることは、生産性の向上につながることが認められています。また、職場環境改善をしていくことも従業員の健康に直結することでしょう。今回は、健康診断やストレスチェックだけにとどまらない、多角的な健康支援策をお伝えしていきます。
具体的には、5つの項目をご紹介します。人の健康が何を指すのかを考えると、企業が取り組む必要のある項目は、人の「体」と「心」と「関係性」です。この3つに加えて、従業員の人生のワークライフバランスをサポートすること、また近年増えてきているデバイスツールの提供を含めた5つの項目です。
それでは細かく見ていきましょう。
体の健康サポート策
健康プログラムの導入(従業員の体力向上や健康維持を目的としたプログラム)
・フィットネスチャレンジ
運動促進を目的としたチャレンジイベントの開催
・ヘルシーな食事の提供
社食や社内カフェテリアでのヘルシーな食事の提供
心の健康サポート策
メンタルヘルスサポート(体だけでなく、従業員の心もサポートするプランを用意)
・社内サークル等の案内
社内のつながりを意識できる趣味サークルや勉強会につなぐ
・健康イベントの開催
社内でスポーツ大会の実施や健康フェアの開催
・サポートグループの設立
同じ健康目的を持つ従業員同士で励まし合うグループを作る
ワークライフバランスの推進
働きやすさを重視し、仕事とプライベートのバランスを取るための施策
・リモートワークの促進
柔軟な働き方、在宅勤務の確立
・有給休暇の利用推奨
従業員が休暇を取りやすい環境を整える取り組み
・産休育休・介護休暇のサポート体制
相談窓口の設置や、理解を広げる研修の実施など
健康管理ツールの活用
従業員自身が健康を管理するためのデジタルツールを提供する
・ウェアラブルデバイス
歩数計や心拍数モニターなど、健康状態を可視化できるデバイスの導入
・健康管理アプリ
健康状態や運動記録を簡単に管理できるアプリを提供
従業員の健康は生産性向上につながる
人出不足が叫ばれる中、企業は従業員に選ばれる組織でなくてはならなくなっています。転職も以前よりもずっとしやすい社会になってきています。人間関係が良くないなと感じたら比較的すぐに辞めて転職する人も多いでしょう。以前は、人間関係くらいで辞めるなんて…と考える人が多かったように思います。世の中ずいぶん変化しました。
企業が従業員に選ばれるために施策を準備することはなくてはならない視点となりました。その上で、従業員が心身ともに健康でいること、人間関係も健康な状態でいることは職場環境がより働きやすいものになり、辞めたいと思う理由が減ることでしょう。逆に自分が仕事する中で目標を達成できる期待が上がり、モチベーションが上がると、動機付け要因が上がったといえ、やりがいを持って仕事ができるようになります。
そんな従業員がたくさんいる職場は、空気も良く楽しく働けることでしょう。雰囲気が向上すると、企業の風土が変化します。風土はその会社のルールを指す重要な要素です。そこが変化すると生産性は自ずと上がることが予想されます。
グッドサイクルを意識していきましょう
組織の成功循環モデルという理論があります。ダニエル・キム博士によって理論立てられました。
バッドサイクル:悪循環
①結果に対して指摘する「できてないよ」
②関係の質が下がる
③会議などで意見が出にくくなる
④行動が減ることにつながる
⑤結果が出ない
グッドサイクル:良循環
①まず関係の質を上げるところから始めていきましょう。
②いい関係の中で会議において心理的安全性のある場だといろんな意見が上がる
③自分たちの意見が通れば行動する幅も広がるし、しっかり結果を出そうと奮闘する
④結果がついてくる
⑤さらに関係が良くなる
まとめ
企業が多角的な健康サポート策を導入することは、従業員の満足度に留まらず、企業の生産性向上に大きく貢献することでしょう。
・「体」のサポート
・「心」のサポート
・「関係性」のサポート
・ワークライフバランスのサポート
・デジタルツールの活用
これらの施策を取り入れていくことで、一人一人のサポートだけでなく企業にとって大きなメリットとなっていくでしょう。良い循環を作り、社内の雰囲気を良いものとし、働きやすいうえにやりがいのある職場にしていきましょう。