災害時の安否確認システムについて

企業における、従業員の安全確認システムとは、災害等が発生した際に、迅速に従業員の安否を確認できる仕組みのことです。1995年の「阪神・淡路大震災」、2011年の「東日本大震災」の際、電話がつながりにくく、何日も安否の確認ができないという状況が発生しました。安否確認が遅れると、社員の安全確認の確保という点でももちろんですが、ビジネスマネジメントの側面からも、稼働できる人員の把握に時間がかかり、業務の初動対応に影響を与えてしまい、企業の損害が拡大してしまいます。

それらを経験して、現在の安否確認システムを使う企業が増えました。

安否確認システムとBCPの関係

BCPとは事業継続計画Business Continuity Planning の略で、災害等の緊急事態における企業等が自然災害、火災やシステム障害などの危機的状況に遭遇した際にも損害を最小限に抑え、重要な業務を継続し早期復旧を図る事業計画のことです。日本では2006年に中小企業庁が発表した中小企業BCP策定運用指針が作成されましたが、多くの企業は2011年の東日本大震災後に導入しました。その「非常時にも滞りなく事業を継続するための施策」のひとつとして、BCPを実施した企業の殆どが業務を担う従業員の安否を確認する事をそのPlanningに採用しています。

BCP(内閣府)

安否確認システムってどんなもの?

災害時に企業が従業員の安否状況を確認するためのシステム、ソフトウエア、アプリ等のことで、大きな災害が発生した時に自動で従業員に安否確認メールを送信し、受け取った従業員が安否を回答するというものです。主に携帯電話を利用し、メールで送られてきたURLから回答するもの、アプリ内で回答するもの、簡単な回答を返すもの等、送信する側に負担にならないものが多いです。(電話が繋がりにくいこと、被災している場合に回答に手間をかけないことから) 企業側はその回答を自動集計して、リアルタイムで従業員の安否の確認ができます。

安否確認ってお金がかかる?

大勢の従業員を抱えている企業では、有料の安否確認サービスを使用しているところが多く、またそのために様々な有料サービスがあります。今回、ご紹介はしませんが、「安否確認システム」と検索するだけで何社もヒットします。 自社の規模、・費用や機能を比較して、各企業の特性と合うものをご検討されると良いでしょう。

無料の安否確認サービスはある?

最近では無料の安否確認サービスも登場しています。その殆どは小規模法人や個人、グループ、家族間での使用向けですのでその点はご留意ください。こちらではいくつかの例をご紹介したいと思います。(実際にご利用の際は、企業としてセキュリティ等が安全かどうかをご確認ください。)

1)20名以下の企業向けシステム関連

e安否

ラビックス社が提供するe安否は20名まで無料で利用できる企業向け安否確認システムです。 無料プランは有料プランと比較すると緊急地震速報と連動した自動一斉メールなどの機能は使えませんが、基本的な安否確認機能を使用できますし、20名までの限定的なグループ内での活用が可能です。

ライトプランとプロプランの比較 

You-OK 
同じくラビックス社が提供する安否確認システムで、20名までは無料で使用できます。

機能的はやはり有料プランの方が便利ですが、e安否のように限定的なグループ内での活用が可能です。

2)SNS関連

SNSでも安否確認ができるようになっているものが多くなってきました。こちらは企業向けとは異なり、SNSで繋がっている人向け、もしくは状況を公表する、ということになりますので、「企業で社員情報を一元管理する」という目的とは異なりますが、安否は確認することが可能です。

■LINE

ふだん個人間でやりとりを行う事が多いLINEですが、安否確認できる機能があります。

大規模な災害が発生したときに、自分の安否状況をLINEでつながっている友達に知らせたり友達の安否情報を確認できる機能です。事前に自分の住む地域を登録しておくとその地域の災害情報をLINEのトークで受け取ることもできます。

緊急時に役立つLINEの使い方

さいごに

大小を問わず、企業のリスクマネジメントの一環として、また先に述べましたBCPの一環として今後更に社員の安否確認の重要性が問われる時代が正に今なのではないでしょうか。また、様々な伝達手段はありますが、社内の個人に依存する運用は不安定要素が多くなります。 それを鑑みると「安否確認システム」が継続的な安定を担保するサービスという点ではポイントが高いようです。更に使い方を普段から社員全員が使い慣れることが望ましいでしょう。

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