2022年11月8日に開催いたしましたファミワンカンファレンス。非常に多くの方にご参会いただき、また当日質問もたくさんお寄せいただき、ありがとうございました。

当日の動画アーカイブはこちらからお申し込みいただけます。

オープニングセッション概要

オープニングセッションでは、ファミワンの戸田、西岡より不妊治療と仕事の両立を取り巻く現状についてお伝えしたのち、株式会社コロプラのHR本部人事部安全衛生グループ
看護師/公認心理師の前出瞳様に、不妊治療と仕事の両立支援について独自の手引きを作成した事例をお話しいただきました。コロプラ様では男性育休の取得率が7割を超えているということからもわかるように、仕事をしながら、家庭・プライベートを両立していく基盤ができている、そのうえでの手引きの導入をはじめ、不妊治療と仕事の両立を企業として支援する流れは自然であったとのこと。会場からは手引きのボリューム感についての質問が寄せられました。

カンファレンス内回答質問!

管理職向けの手引きですが、ボリューム感としてはどのくらいの内容(ページ数)のものを作成されたのでしょうか。参考にしたいのですが、あまりページ数が多いと敬遠される恐れもあるかなと思いご質問です。

ページ数は表紙含め26スライドで作成しています。資料はGoogleスライドで管理職へリンクを共有しています。内容に関しては不妊治療だけでなく、PMS,婦人科系がんなどの簡単な基礎知識なども含まれており、不妊治療に関する資料は9スライドになります。

会社の支援として、産休、育休などは充実しているのですが、妊活に対する支援は全くない状況で、担当者もいないです。誰にどうアプローチすると支援を構築していくこができますでしょうか。

専任の担当は大企業じゃないと中々いないかなと思いますが、人事・労務の担当へまずは話したり提案してみるのがスタートとしてはよろしいかと思います。その際、いきなりコストをかけての提案ではなく、まずは管理職に対してコストをかけずに情報提供をしていく、風土を作っていくのが取り組みやすいのではないでしょうか。その流れで従業員のニーズが図れれば上席にアピールできるのではないかと思います。

未回答質問への回答【株式会社コロプラ様】

限られた時間の中でお答えできなかった質問について妊コラム内で返答を掲載いたします。
みなさまのご参考になれば幸いです。

理解が得られないまたは、認識がない上司がいた際、価値観を変えていってもらうにはどのようにアプローチしていくのが良いか、事例などありますでしょうか。

理解が得られない、認識がない管理職の方にはまず必要とされる情報を提供することから始めてみるといいのではないでしょうか。 当社では、「管理職が理解がない」という当事者からの相談があったとき、まずはその管理職に手引きをもとに情報提供をしています。そこでは「知らなかった。知れてよかった」という反応を頂いています。当事者ではない方に理解してもらうためには、まずは理解して欲しい内容を積極的に伝える姿勢も大切だと思います。 また、相手が人事部内の上司などであれば、実際に困っている社員のケースを伝えたり、厚労省のデータなどで実態を伝えるところから始めるといいと思います。

卵子凍結に関する社内制度に関して、実際の取り組み事例等あれば教えていただきたい。

当社では上記制度ございません。

手引きの周知をした際のリアクションについてご質問です。実際に、業務調整する管理職にとっては支援が難しいこともあると思うんですが、ネガティブな反応もあったのでしょうか。またもしその場合、ネガティブな反応をされた管理職にはどういったフォローをされたか伺いたいです。

「そうは言っても業務調整が難しい・・・」という反応はある時もあります。 その際に自身が気を付けていることとしては、必ず管理職側の気持ちにも寄り添うことです。「そうですよね、大変ですよね」と理解を示すことで、その次の話はしやすくなると思います。その上で、具体的に何が難しいのかをヒアリングし、当事者とも相談しつつ業務調整をしています。 また、不妊治療は今の時代は特別なことではないため、育児や介護との両立支援と同じように考えて欲しいと伝えています。 「子供が病気で・・親の通院に付き添いたい・・」というメンバーがいたらどのように対応しますか?と。 そして、目の前の当事者一人だけを想定するのではなく、管理職が配慮をしている姿勢はほかの同僚たちにも伝わるはずなので、他のメンバーにとっても心理的安全性のあるチーム環境を作ることができます、という内容で伝えています。

不妊治療へのサポートを企業が行う上で、社内の反対意見などはありませんでしたでしょうか?もしあった場合どのように進められたのでしょうか?(従業員へのサポートでは介護など不妊以外の問題もあると思います。)

当社では健康経営を推進しており、「長期的にハイパフォーマンスを実現するために必要な労働環境」を意識して各種施策に取り組んでいます。 この方針は健康経営を推進する以前からHR部門は意識しており、経営層も同じ意識でした。 そこで、長時間労働の是正という働き方改革をしつつ、従業員の年齢層を考慮し、育児と仕事の両立支援からはじめました。 関係者への個別説明や面談、制度をまとめたオリジナルのママ手帳・パパ手帳を作成するなどした結果、今では男性の育児休業率も約7割となり、育児と仕事の両立に関する社内の理解は浸透してきていると思います。 その流れの中で、子供がいない従業員のことも考えて欲しい、という声はありました。 そこには色んな思いがあると思いますが、両立支援の次のステップとして不妊治療と仕事の両立支援を考え始めましたが、社内風土としてもそれは自然な流れだったと感じており、反対の声は届いていません。 なお、今後は介護と仕事の両立についても相談が増えてくると想定しており、まずは十分な情報提供ができるように担当者が準備をしているところです。 費用をかけて新しい制度を作ることだけが支援なのではなく、話を聴く、必要とされる情報をタイムリーに提供できる、ということも支援だと考えています。

不妊治療と仕事の両立がうまくできない(薬の影響で思うように業務が進められないなど)方もいらっしゃるかと思いますが、そういった方のキャリア支援の取り組みはされていらっしゃいますでしょうか?もしそういった実績があれば参考に伺いたいです。

特別なキャリア支援への取り組みは行っておりません。 しかし、上司と部下の1on1にてキャリアについて話す機会を積極的に作っていたり、毎月働き方ややりがいなどに関するサーベイも実施し、気になる従業員には人事から声をかけて面談をしています。 100%解決することは難しいと思いますが、両立に関する相談をしやすい雰囲気や環境作りを意識して取り組んでおります。

終わりに

いかがでしたでしょうか。
コロプラ様の社内での取り組みについて貴重なお話が多く挙がっていましたので、みなさまの参考にしていただければ幸いです。

まず何をしたらいいか、とお悩みの人事ご担当者さまもぜひ一度ファミワンにお問い合わせください。
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