「がん検診、受けたほうがいいとは思っているけれど、つい後回しにしてしまう……」
そんな方に知ってほしい、東京都の新しい取り組みが始まりました。
東京都では令和8年度から、「女性のがん検診受診応援事業」をスタート。
子宮頸がん検診または乳がん検診を受診した対象の方に、2,000円相当の健康関連グッズ等、または2,000ポイントの東京ポイントが提供されます。
「忙しくて検診を後回しにしていた」という方も、この機会に自分の健康について考えてみませんか?
東京都「女性のがん検診受診応援事業」とは?
東京都は、女性に多くみられるがんの早期発見・早期治療につなげるため、令和8年度から「女性のがん検診受診応援事業」を実施しています。
対象となるがん検診を受診した方は、2,000円相当の健康関連グッズ等、または2,000ポイントの東京ポイントのいずれかを選択できます。
- 健康関連グッズ:枕やひざ掛けなどの睡眠グッズ、調理器具、体温計、ヨガマット、ダンベルなど、特設サイトに約60種類
- 東京ポイント:東京アプリを使い、都立施設の利用チケットや、au PAY、dポイント、PayPay、楽天ペイ、Vポイントなどに交換可能
「自分の健康を大切にするきっかけ」として、検診を受けることを考えてみましょう。
私は対象?対象となる人をチェック
今回の事業の対象となるのは、以下の条件を満たす方です。
- 現在東京都に住んでいる、または検診を受診した時点で東京都に住んでいた
- 令和8年4月1日以降に対象となるがん検診を受診している
- 子宮頸がん検診の場合:20歳以上の女性
- 乳がん検診の場合:40歳以上の女性
年齢は、令和9年3月31日時点の年齢で判定されます。
また、対象となる検診は、区市町村が実施する住民検診だけではありません。企業や健康保険組合などが実施する職域検診、人間ドックなど、個人で申し込んだ検診も対象となります。
申請方法
- 対象の検診を受ける
- 特設サイト「TOKYO Women’s Health」から、本人確認書類と検診結果通知を用意して申請する
- 審査後、メールが届く
- グッズまたは東京ポイントを選ぶ(グッズは約2〜4週間で届く)
令和8年度の申請期間は、令和8年10月1日から令和9年2月28日までです。
なお、健康関連グッズ等の申し込み期限は令和9年3月12日となっており、事業への申請期限とは異なるため注意しましょう。
なぜ、症状がなくても「がん検診」が大切なの?
東京都によると、20代から40代の女性は、同年代の男性と比べて、がんにかかる割合が約3倍高いことが分かっています。
また、子宮頸がんや乳がんは、早期に発見して適切な治療を行うことで、90%以上の高い生存率が期待されるがんです。
一方で、これらのがんは初期には自覚症状がほとんどないこともあります。
そのため、「症状がないから大丈夫」ではなく、症状がないうちから定期的に検診を受けることが大切です。
ここからは、今回の事業の対象となる「子宮頸がん」と「乳がん」について、知っておきたいポイントを紹介します。
子宮頸がん
子宮頸がんは、子宮の入り口にあたる「子宮頸部」にできるがんです。
子宮頸がんの多くは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が関係しています。
HPVは、性的接触のある女性であれば生涯に一度は感染する可能性がある、身近なウイルスです。感染したからといって、すぐにがんになるわけではありません。
多くの場合、HPV感染は自然に排除されますが、一部では感染が長く続き、子宮頸部の細胞に変化が起こります。その一部が、長い時間をかけて子宮頸がんへ進行することがあります。
初期には症状がないことも
子宮頸がんは、初期には自覚症状がないことがあります。
そのため、「症状がないから大丈夫」とは限りません。
進行すると、
- 月経以外の出血
- 性交時の出血
- おりものの変化
- 下腹部の痛み
などの症状がみられることがあります。
気になる症状がある場合は、検診を待つのではなく、婦人科などの医療機関を受診しましょう。
子宮頸がんは予防できる?
子宮頸がんの予防には、大きく分けて「HPVワクチン」と「子宮頸がん検診」があります。
① HPVワクチン
HPVワクチンは、子宮頸がんの原因となるHPVの感染を予防するワクチンです。
現在、日本の定期接種では9価HPVワクチンが使用されています。9価ワクチンは、子宮頸がんの原因となるHPVのうち、特にがんを起こしやすい7種類の感染を予防し、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぐとされています。
定期接種の対象は、小学6年生から高校1年生相当の女子です。
接種回数は、1回目の接種年齢などによって2回または3回となります。
ただし、HPVワクチンを接種しても、すべての子宮頸がんを防げるわけではありません。
そのため、ワクチン接種後も子宮頸がん検診を受けることが大切です。
② 子宮頸がん検診
子宮頸がん検診は、症状がない段階で異常を見つけ、早期発見・早期治療につなげるためのものです。
検診では、子宮頸部の細胞を採取して調べる「細胞診」などが行われます。
現在、国立がん研究センターでは、子宮頸がん検診について細胞診を推奨しています。また、自治体によってはHPV検査単独法が導入されている場合もあります。
検診の対象年齢や受診間隔、検査方法は自治体によって異なるため、お住まいの自治体の案内を確認しましょう。
「症状がないから受けなくてもいい」はNG
子宮頸がんは、初期には症状がないことがあります。
だからこそ、症状が出る前に検診を受けることが大切です。
「婦人科の検査は少し苦手……」
「忙しくて後回しにしている」
「まだ若いから大丈夫だと思っている」
そんな方もいるかもしれません。
しかし、子宮頸がんは若い世代でも発症することがあります。
自分の身体を守るためにも、対象年齢になったら定期的に検診を受ける習慣をつくりましょう。
何歳から検診を受ける?
国立がん研究センターでは、20歳以上の女性は2年に1回、子宮頸がん検診を受けることが推奨されています。
一般的な子宮頸がん検診では、問診や視診、子宮頸部の細胞診などが行われます。検診で「要精密検査」となった場合には、必ず精密検査を受けることが大切です。
また、HPVワクチンを接種している場合でも、感染を100%防げるわけではないため、定期的な子宮頸がん検診が大切です。
乳がん
乳がんは、乳房にある乳腺の組織にできるがんです。
乳腺には、母乳をつくる「小葉」と、母乳を乳頭まで運ぶ「乳管」があり、乳がんの多くは乳管から発生します。
乳がんは、年齢とともに発症する人が増える傾向がありますが、40歳代など比較的若い世代でも発症することがあります。
そのため、「まだ若いから大丈夫」と考えず、自分の年齢に合った検診について知っておくことが大切です。
乳がんの症状
乳がんの代表的な症状として、次のようなものがあります。
- 乳房にしこりがある
- 乳房の形や大きさに変化がある
- 乳房の皮膚にへこみやひきつれがある
- 乳頭から血性の分泌液が出る
- 乳頭がただれたり、変化したりする
- わきの下にしこりがある
ただし、初期の乳がんでは自覚症状がないこともあります。
また、乳房のしこりなどは、必ずしも乳がんとは限りません。
「いつもと違う」と感じる変化があれば、自己判断せず、乳腺外科などの医療機関に相談しましょう。
何歳から検診を受ける?
国立がん研究センターでは、40歳以上の女性は2年に1回、乳がん検診を受けることが推奨されています。
乳がん検診では、問診とマンモグラフィ(乳房X線検査)が行われます。マンモグラフィでは、乳房を専用の装置で圧迫して撮影し、小さなしこりや石灰化などを確認します。
また、日頃から自分の乳房の状態を知り、変化に気づいたら医療機関を受診する「ブレスト・アウェアネス」も大切です。
自分の健康を後回しにしないために
仕事、家事、育児などに追われていると、自分自身の健康はつい後回しになってしまいがちです。
「まだ若いから大丈夫」
「特に症状がないから大丈夫」
「忙しいから、また今度……」
そう思っているうちに、検診のタイミングを逃してしまうこともあります。
がん検診は、自覚症状がない段階で病気を早期に発見し、適切な治療につなげるためのものです。
今回の東京都の「女性のがん検診受診応援事業」で、自分の健康を見直すきっかけのひとつとしてみてくださいね。
対象となる方は、この機会にぜひ検診について確認してみてください。
令和8年度 東京都「女性のがん検診受診応援事業」
申請期間:令和8年10月1日~令和9年2月28日
※対象条件や申請方法、申請期限等は変更される可能性があります。申請の際は、東京都の公式サイトで最新情報をご確認ください。
https://gankenshin-ouen.metro.tokyo.lg.jp
東京都.令和8年度「女性のがん検診受診応援事業」を実施します.https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/04/2026040601
(閲覧日:2026年10月1日).
東京都.TOKYO Women’s Health|東京都 女性のがん検診受診応援事業. https://gankenshin-ouen.metro.tokyo.lg.jp/
(閲覧日:2026年10月1日).
東京都保健医療局.がん検診. https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/kenkou/gankenshin
(閲覧日:2026年10月1日).
国立研究開発法人国立がん研究センター.子宮頸がん.がん情報サービス.https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/index.html
(閲覧日:2026年10月1日).
国立研究開発法人国立がん研究センター.乳がん.がん情報サービス.https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/index.html
(閲覧日:2026年10月1日).
厚生労働省.HPVワクチン. https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html
(閲覧日:2026年10月1日).
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