
はじめに
時代が移り変わり、以前のように厳しく指導して新入社員を鍛える時代は終わりました。今は手厚いサポートで新入社員を歓迎していく世の中になっていますね。そんな中で育成担当者は頭を悩ませているのではないでしょうか。どうやって育てるのが正解なのか?
優しくしているとわがままな社員になってしまうのではないか?いつまでも学生気分が取れないのは困る・・しかし強く言うと、ちょっとしたことでパワーハラスメントと疑われてしまうのでは?メンタルダウンされても困るし・・などなど。指導方法は難しいと感じているのではないでしょうか。
今回は、新入社員を輝かせるためのサポート法をお届けしていきます。何が指導法として正しいのかの「ものさし」を手に入れてもらい、自信を持って新入社員を受け入れていく準備にぜひ役立てていただければ嬉しいです。
組織の成功循環モデル
まずは大きいところから考えていきましょう。組織が成功していくにはgood cycleを作り出すことがいいですよというモデルがあります。ダニエル・キム博士が作った「組織の成功循環モデル」です。Bad cycleとgood cycleを比較した図が有名です。
同じ4つの質を挙げていますが、スタートする位置が違います。Bad cycleは、まず「結果の質」から始まります。「できていないじゃないか」という指摘を上司が部下にする。そうすると上司と部下の「関係の質」が悪くなる。関係が悪いとモチベーションも下がりますので、部下の発言やアイデアを出せる場の空気が悪くなり、心理的安全性は無くなっていきます。これが「思考の質」です。関係が薄くてアイデアが出ない中では適切な行動にも問題が出てくるでしょう。「行動の質が」落ちていくことになります。「行動の質」が落ちると、当然ですが「結果の質」は悪くなるでしょう。これがbad cycleというわけです。
ではgood cycleの方も見ていきましょう。スタートの位置を一つずらして考えていきます。まずは「関係の質」を向上させます。上司と部下がいい関係になると「思考の質」も上がり、心理的安全性のある会議や場ができることでしょう。モチベーションが高い中で自分が会議で発言したことによる実行していく事柄の決定であれば、「行動の質」もおのずと上がり、行動が増えると「結果の質」は当然良いものとなっていくでしょう。これがgood cycleです。
組織的にgood cycleを作っていくことが前提として求められています。その環境下で従業員を育成していくとなれば、難しい「育成」という仕事も環境的なサポートがあるわけです。まずは関係性作りからスタートしていきましょう。

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信頼関係を築くところから始めていきましょう
定期的に1on1の面談やミーティングを仕組みとして取り入れましょう。関係性が良く、心理的安全性のある中で、部下の悩みを聴き質問に答えていく場の設定を仕組み化することを手始めに整えておくと安心です。相談できる雰囲気のある場づくりから始めていきましょう。
部下とのかかわりの中で使っていくツールであるコミュニケーションは、聞く姿勢を持ち、上司であったとしてもワンダウンの姿勢に整えておく方が良いと思います。必要以上に上から話さないといけないというのは間違った捉え方です。まずは部下と横の関係を作ることやワンダウンの姿勢を取り、部下の不安感を共有して進めていくといいでしょう。なんでも部下のオーダーに応えていくという話ではありません。しっかりと操縦桿は上司が握っておく必要はもちろんあります。ただ指導をする上でまずは良い関係性作りをしていくことが最初にやるべきことです。

目標設定を明確にし、スモールステップを作っていく
1on1面談で明確な目標設定を行い、タスクを細分化して段階的に達成できるようサポートすることで、新入社員に達成感と自信を与えられます。適切に成長していくプランを立てていくイメージです。そして、投げっぱなしではよくありません。いつまでにどこを頑張るのか決めて、例えば1か月後に再度1on1面談を設定して、どうだったかを確認していきます。レポートを提出させるのもいいでしょう。この確認は、「注意」よりも「承認」の場としての設定をしていきましょう。結果よりもプロセスを聴いて、どこを頑張ろうとしているのかをしっかりと見ていき、言葉にして部下に届けましょう。「承認」や「労い」が済んでから、伸ばすべきところをアドバイスしていくといいですね。フィードバックは「ポジティブ+改善点」のバランスを大切にします。ポジティブなフィードバックはモチベーションアップにつながります。また、改善が必要な点についても建設的に伝えることで、成長のきっかけを提供できます。そして次のステップの確認をして、次回の面談日の設定をしておきます。
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仲間意識を醸成するためのチームへの巻き込み
チームメンバーと新入社員が協力して取り組むプロジェクトや、カジュアルな交流の場を設けることで、職場全体の一体感を生み出します。チームビルディングしていくことは仕事を組織として行っていく上で大切な視点です。
継続的な学びのサポート
新入社員である時期が終了しても学び続けられるように、研修や勉強会、オンラインリソースの提供など、長期的なスキルアップをサポートすることで、新入社員の成長を後押しします。
まとめ
組織として成功循環モデルのgood cycleを整えておくことを前提とし、新入社員には、学びと次なるスモールステップ、そして自分をしっかりと見ていてくれる上司の「承認」や「労い」を入れていきましょう。また他の従業員との関係性も新入社員の所属欲求を満たすことでしょう。継続的な学びがあり、次のステップ(目標)を目指せるのだと思え、モチベーションアップにつながります。これらが整うことで新入社員のモチベーションを支え、輝かせることでしょう。新しい年度の始まりをポジティブに進めていけるといいですね。ポイントを抑えて整えていきましょう。
